ファスティングの正しいやり方と注意点

ダイエットをしたいあなたは「ファスティング」について正しく知っていますか?
ファスティング(fasting)とは「断食(だんじき)」という意味の英語です。
最近では「一定期間、固形物を口に入れないこと」を意味するようになったことから、「プチ断食」とも呼ばれています。

ファスティングの期間はとくに決まっておらず、12時間のものから1週間以上のものまでさまざまです。
なかには、なんと約400日ものファスティングに成功した人もいるんですよ!
(参考:The tale of Angus Barbieri who fasted for more than a year – and lost 21 stone

そんなファスティングですが、実践してみた人の約4割が「効果を感じた」と答えており、これからもますます人気が出そうなダイエット方法のひとつです。
(参考:断食に関する調査|株式会社クロス・マーケティング

実際、ファスティングには痩せ体質になったり、健康的に美しくなったりする効果もあるんです。

ただ、断食とはもともと“宗教での修行”などとして行われていたものなので、気軽に取り組むのはとても危険です。
下手に取り組むと、大きくリバウンドしてしまうことはもちろん、体調を崩してしまう可能性もあります。

そこでここでは、ファスティングのメリットや、失敗せずにファスティングを実践するための具体的な方法について紹介しますね。

ファスティングをするメリットは、健康的にダイエットできて痩せ体質になれること

まずはファスティングをするメリットについて、紹介します。
ファスティングのメリットは以下の5つです。

  1. ダイエット効果
  2. アンチエイジング効果
  3. 痩せ体質に変化
  4. 胃腸を休めて便秘を改善する
  5. 頭がスッキリする
それぞれについて、くわしく説明しますね。

【ファスティングのメリット】
1.ダイエット効果

ファスティングでは1食分以上、食べる量が減るので、ふだんよりも摂取カロリーが少なくなります。
そのため当たり前ですが、体重や体脂肪を減らすことができるんです。

実際に、医療機関と酵素ドリンク会社が共同で行った実験では、約3ヶ月間ファスティングを行った人たちの体重・ウエスト周囲が明らかに減少したと報告されています。
ファスティングに関する医学論文のイメージ
この実験では、2日に1回の半日断食を続けながら、毎月1回だけ1日断食をしたところ、平均3.2Kgのダイエット効果が得られました。
被験者の中には、5kg近くのダイエットに成功した被験者もいたんですよ。
(参考:酵素ドリンクを使ったファスティングによる痩身効果|診療と新薬

研究によってダイエット効果が証明されているので、取り組む前から安心ですね。
ちなみに目安としては、1ヶ月に1〜2kgを落としていくくらいを目標にしましょう。

【ファスティングのメリット】
2.アンチエイジング効果

定期的にファスティングを行うと、細胞の“ゴミ処理機能”である「オートファジー」が活発になると考えられています。
そのためファスティングによって、細胞内に溜まったゴミがドンドン処理されていくんです。
この結果、脂肪が燃焼されやすくなったり、アンチエイジングにつながったりといった効果が期待できます。
(参考:あおば通信|医療法人あおば かたやま脳外科内科クリニック

【ファスティングのメリット】
3.痩せ体質に変化

ファスティングを行うと、「ヒト成長ホルモン」の分泌が盛んになることが、いくつかの研究から明らかになっています。

ヒト成長ホルモン(HGF:human growth holmone)は、こどもの正常な発達に必要なホルモンで、筋肉を増やしたり骨を丈夫にしたりするものです。
さらにこのホルモンは「フィットネス・ホルモン」とも呼ばれており、痩せるのに重要な働きをするホルモンでもあるんです。

つまり、ファスティングをするとヒト成長ホルモンの分泌が盛んになるため、筋肉量や骨量をキープすることができ、代謝効率の高い“痩せ体質”に変化していきます。
(参考:
Routine periodic fasting is good for your health, and your heart, study suggests|Intermountain Medical Center
Fasting:The History, Pathophysiology and Complications
Fasting enhances growth hormone secretion and amplifies the complex rhythms of growth hormone secretion in man

【ファスティングのメリット】
4.胃腸を休めて便秘を改善する

ファスティングをするときは飲み物だけで固形物を食べないため、胃腸を休めてあげることができます。
じつは、ヒトが食事をしてから便として排出するには、約30〜120時間もかかっているんです。
(参考:藍色の風|坂東ハートクリニック
そのため数回の食事を抜くだけでも、胃腸をしっかりと休めることができるんですね。

またファスティング中は、「モチリン」という消化管ホルモンが分泌されます。
これは空腹時に十二指腸から出るホルモンで、胃や腸のぜん動運動を一時的に活発にして、消化管の中をキレイに洗い流してくれるものです。
そのため、ファスティングによって便秘改善も期待できますよ。
ファスティングで胃腸が休まって便秘改善するイメージ
(参考:図解入門よくわかる便秘と腸の基本としくみ|坂井正宙(著)

【ファスティングのメリット】
5.頭がスッキリする

ファスティングの中でもとくに取り組みやすい「半日ファスティング」を続けて行うと、「脳由来神経栄養因子(のうゆらいしんけいえいよういんし)」がたくさん作られるようになります。
(参考:Chronic intermittent fasting improves the survival following large myocardial ischemia by activation of BDNF/VEGF/PI3K signaling pathway
この栄養因子は、BDNF(brain-derived neurotrophic factor)」と呼ばれるタンパク質で、脳の細胞の成長に欠かせない栄養分なんです。

 ※半日ファスティングについては、のちほど説明しますね

そのため半日ファスティングを継続していくと、頭がスッキリするというメリットがあります。
「毎日なんだか眠いな、ぼんやりして集中できないな」と感じている人は、ぜひ半日ファスティングを始めてみてくださいね。

ここまでファスティングのメリットを5つ紹介しましたが、ファスティングをやってみたくなりましたか?
では、さっそくファスティングの正しいやり方を紹介しますね。

ファスティングのやり方は「半日・1日・2日以上」の3パターンに分けられる

ファスティングのやり方には、以下の3パターンがあります。

  • 半日ファスティング
  • 1日ファスティング
  • 2日または3日ファスティング(それ以上のこともあります)
それぞれについて、わかりやすく説明しますね。

【ファスティングのやり方3パターン】
1.「半日ファスティング」は初心者にオススメの苦しくない断食方法

ファスティング初心者にオススメなのは、先ほども少しお話しした「半日ファスティング」です。
半日ファスティングとは、「間欠的ファスティング(IF:Intermittent Fasting)」とも呼ばれ、1日16時間以上、固形物を口にしない断食方法です。
(なお、女性の場合は14時間以上でも構いません)
残りの8時間(女性の場合は10時間)では、基本的にはいつもどおりの食事をとりますが、そのときに「まごわやさしい」で例えられる、以下の食品を中心にするのが大切です。

    • :豆類
    • :ごま
    • :わかめなどの海藻
    • :野菜
    • :魚や貝
    • :しいたけなどのキノコ類
    • :イモ類

【さらに加えたい食品】

  • 玄米・キムチや納豆などの発酵食品・果物
まごわやさしいの食材イメージ

そんな半日ファスティングには、以下の2パターンがあります。

  • 朝食ファスティング
  • 夕食ファスティング
それぞれのファスティング方法について、カンタンに説明しますね。

朝食ファスティング

夜の8時までに夜ご飯を食べ終え、翌日の昼12時までは何も食べないようにします。

朝食は、酵素ドリンクなどの栄養分のある飲み物だけにして、1日に1.5〜2Lを目安に水分をとることがポイントです。
残りの2食についてはとくに気にすることはありませんが、暴飲暴食をせずにふだんどおりの食事を摂り、アルコールは1日に缶ビール1本までとします。

朝食をファスティング

夕食ファスティング

もし「朝食を食べないとフラフラするのでは?」と思う場合は、夕食を抜くこともできます。
具体的には、昼3時までにランチを食べ終え、翌日の朝7時までは何も食べないようにします。
この場合は、夕食がわりに酵素ドリンクなどを飲み、朝食と昼食の2食はふだんどおりにしましょう。

夕食をファスティング

なお、半日ファスティングの特徴は、“ファスティングを数ヶ月間、毎日続ける”という点です。
ただし「毎日ファスティングするのはツラそう」という場合は、まずは「1日おき」から始めてみてください。

ちなみに、16時間ほど固形物をとらないのが心配な人は、「1食置き換えダイエット」から始めてみて、徐々に半日ファスティングに切り替えていくのがオススメです。

【ファスティングのやり方3パターン】
2.「1日ファスティング」は半日ファスティングに慣れてきてから

1日ファスティングとは、丸1日、何も食べないことをいいます。
そのぶん、水分は意識してたっぷりと摂り、前日と翌日のケアも大切です。

ただ、1日ファスティングは半日ファスティングよりもツラいので、半日ファスティングを1ヶ月ほど続けてみて「慣れたな」と感じてから行い、1ヶ月に1回までとしてくださいね。

では、具体的な1日ファスティングのやり方について説明しますね。
1日ファスティングは、以下のようなスケジュールで進めるのが一般的です。

  • 準備日(前日)
  • 断食日(当日)
  • 回復日(翌日)
それぞれの日程で気をつけることを、紹介していきますね。

準備日(前日)

1日ファスティングを行う前日は「準備日」として、以下のことに気をつけます。

  • 朝食を抜く半日ファスティングを行う
  • 昼食・夕食で暴飲暴食はしない
  • 肉・揚げ物・お菓子・ファストフード・カフェイン・アルコールを控える
  • 1日2Lほどの水(ぬるま湯〜白湯にすると体が冷えない)を飲む

とくに昼食や夕食の内容は、「まごわやさしい」の食品を中心にしましょう。

断食日(当日)

当日は「断食日」として、以下のことに気をつけます。

  • 1日に酵素ドリンクを8杯飲む
  • アルコール・タバコ・カフェインを控える
  • 1日2Lほどの水(ぬるま湯〜白湯にすると体が冷えない)を飲む
  • 激しい運動や長い入浴は避ける
  • ヨガなどの軽めの運動や散歩程度であればOK
このように、断食当日はゆっくりと過ごしたほうがいいので、できれば休日など仕事や学校が休みの日に行うのがオススメです。

また断食当日に口に入れてもよいものは、以下のとおりです。
もし家にない場合は、事前に用意しておきましょう。

断食当日に口に入れてもよいもの
  • 水、ペリエなどの無糖炭酸水(必須)
  • 酵素ドリンク(必須)
  • 塩(「ぬちまーす」「雪塩」などの天然の海塩)
  • お茶(麦茶・はと麦茶・ハーブティーなど)
  • 具なしの骨スープ(鶏ガラ・豚骨・牛テールなどからとったダシ)
  • シナモン
  • ココナッツオイルまたはMCTオイル
なお、断食中に頭痛やめまい、体温が下がるなどの体調不良の症状が現れた場合は、断食を中止しておかゆや果物などから食べはじめましょう。
この体調不良を「好転反応(こうてんはんのう)」と考えてガマンしていると、体調がさらに悪化して医療機関を受診する必要がでてくる可能性があります。
好転反応を我慢して医療機関を受診しているイメージ

じつは、好転反応という言葉には科学的な根拠がなく、この言葉自体が“薬機法違反”なんです。
そのため断食日には絶対にムリをせず、体調が悪くなったらスグに中止しましょう。
(参考:健康食品の正しい利用法|厚生労働省

 【こんな表記には注意しましょう!】
以下のような内容が書かれているサイトがありますが、「好転反応」という言葉自体が“薬機法違反”なので、絶対に信じてはいけません。

ファスティングをすると、【ふらふらする、ぼーっとする、めまい、頭痛、だるい、動悸、吐き気、下痢、便秘、気持ち悪い、倦怠感、体調不良、眠気、疲れ、立ちくらみ、冷え、イライラ、むくみ、冷や汗など】といった症状が出ることがあります。
これは「好転反応」といって、身体から毒素や老廃物が排出されるとき、身体から剥がれ落ちた悪いものが血液やリンパに乗って、排出されている証拠で、普段から不摂生だと好転反応は強くなります。

回復日(翌日)

1日ファスティングの翌日は「回復日」として、以下のことに気をつけます。

  • 朝食を抜く半日ファスティングを行う
  • 昼食は、うす味のおかゆを食べる
  • 夕食は「まごわやさしい」の食材と、玄米・発酵食品・果物のみを食べる
  • 昼食・夕食で暴飲暴食はせず、よく噛んで食べる
  • 肉・揚げ物・お菓子・ファストフード・カフェイン・アルコールを控える
  • 1日2Lほどの水(ぬるま湯〜白湯にすると体が冷えない)を飲む
回復日は休めた胃腸に、久しぶりに食べ物を与える日なので、胃腸に負担がかからないように注意しましょう。
断食明けの食事のイメージ
1日ファスティングはこの3日間で終わりなので、回復日の翌日からは通常通りの食事に戻しますが、半日ファスティングだけは継続していくことをオススメします。

【ファスティングのやり方3パターン】
3.「2日以上のファスティング」は専門家のもとで行う

1日断食ができるようになって、「もっと長期間のファスティングをしてみたいな」と感じたら、2日以上のファスティングに挑戦してみることができます。
ただし、2日以上のファスティングは、ひとりで行うと非常に危険です。
そのためクリニックが開催しているファスティング合宿に参加するなどして、専門家の指導のもとファスティングを行うようにしてください。

なお、2日以上の断食の場合は、以下のような流れで行われるのが一般的です。

(例:3日ファスティングの場合)

  1. 準備日:2日間
  2. 断食日:3日間
  3. 回復日:2日間

合計:7日間

このように、1週間ほどの長期間にわたるファスティングなので、絶対に自分だけで行わないでくださいね。
なお、こうしたファスティング合宿の費用は数万円〜10万円ほどかかるのが一般的です。

そのため「断食にそこまで払えないな」という人は、毎日の「半日ファスティング」に月1回の「1日ファスティング」を数ヶ月間続けて、体調の変化をみてみるのがオススメですよ。

ここまで、ファスティングの正しいやり方を紹介しましたが、あなたも取り組めそうですか?
実際にファスティングをしてみるのであれば、さっそく必要なものを揃えていきましょう。

ファスティングに必要なものはたった3つ

ファスティングをスタートする日の1週間前くらいまでに、以下の3つを通販などで揃えておきましょう。

  • ミネラルウォーター(1.5〜2L):6本くらい
  • 酵素などの液体栄養ドリンク:1本
  • 炭酸水(1L):1本(酵素ドリンクを薄めるのに使います)
すべて合わせて8Kg以上ほどになってしまうので、できれば通販で買ってしまうのがオススメですよ。

また酵素ドリンクなどの液体栄養剤は、ビタミン・ミネラル・鉄分などを含んだ、人工化合物無添加なものを選びましょう。
ただ酵素ドリンクには、無添加なものやコスパがいいものがあまりないので、成分や100mlあたりの値段などをしっかりとチェックしてくださいね。

ファスティングに必要なものがわかったら、最後にファスティングの注意点に目をとおしておいてください。

ファスティングの注意点を知って、安全に断食しよう

ファスティングをやってもよいのは、以下のすべての条件に当てはまる人です。

ファスティングをやってもよい人
  • 20〜59歳
  • BMIが23以上(※BMIの求め方は後ほど紹介)
  • 妊娠中や授乳中ではない
  • 食べ物のアレルギーがない
  • ホルモン補充療法を受けていない
  • 医薬品や健康食品を摂取していない
  • 過去に心筋梗塞や脳卒中を起こしていない
  • 現在、健康である

もし条件に当てはまらない場合は、かかりつけ医などに相談してくださいね。
ファスティングをかかりつけ医に相談するイメージ
さらに女性の場合は、生理の日を避けるのがオススメですよ。

では最後に、BMIの求め方についてカンタンに紹介しますね。

ファスティングをするならBMI23以上!BMIの求め方を知っておこう

BMIとは「Body mass index(ボディーマスインデックス)」の略で、「ボディマス指数」とも呼ばれる“肥満度を測るための国際的な指数”です。
BMIは、以下のように求めます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

たとえば身長が165cmで体重が55kgの場合、BMIは以下のように求められます。

BMI=55÷1.65÷1.65≒20.2

日本肥満学会では、BMIの基準を以下のように定めており、「BMI:22」の場合を標準体重としています。

状態 指標
低体重(痩せ型) 18.5未満
普通体重 18.5以上、25未満
肥満(1度) 25以上、30未満
肥満(2度) 30以上、35未満
肥満(3度) 35以上、40未満
肥満(4度) 40以上

(参考:肥満症診断基準2011|日本肥満学会)

ファスティングを行ってもいいのは、標準よりも太っているBMI23からです。
あなたのBMIをしっかりと計算してから、ファスティングを始めてくださいね。

私のファスティングダイエットまとめ

ファスティングは胃腸を休めることができるので、ムリのない範囲で継続することをオススメします。
また食事の大切さを再認識することで、自分の体に取り込む食べ物を今よりももっと丁寧に選ぶことができるようになり、太りにくく痩せやすい体質になれますよ。
この記事を読んだあなたが、安全なファスティングによってキレイにダイエットできれば嬉しいです。
ファスティングでダイエットに成功するイメージ

ファスティングでお腹がすきすぎるのが心配なら、1食置き換えダイエットから始めてみては?
ふだん大食漢だったり間食が欠かせない人の場合、お腹がすきすぎて気持ち悪くなったり、ぼーっとしたりしてしまうこともあります。
そんな場合は完全に液体にするのではなく、カロリーが低く消化に負担がかかりにくい置き換えダイエット食にするのがオススメです。
置き換えダイエット食なら少しは食べ応えがあるので、「空腹感でツライ」ということがなくなりますよ。